冬のハウス内の土づくり

冬のハウス内の土づくりをイメージした畝とスコップ(AI生成画像)

冬の土づくりは、露地の畑だけでなく、土耕栽培のハウスでも大切です。春の作付けまで休ませる場合は、収穫後の土の状態を見直す機会になります。

ただし、ハウスは露地と条件が異なります。雨が当たりにくく、冬も栽培を続ける場合があります。暦だけで作業を決めず、栽培予定と土壌診断をもとに管理しましょう。

冬のハウス内で土の状態を確認する理由

肥料成分の蓄積に注意する

ハウスでは、雨による肥料成分の溶脱が起こりにくくなります。施肥量や灌水の状況によっては、土壌に塩類が集積することがあります。

土の表面の白い付着物や生育不良だけで原因を決めつけず、土壌のECとpHを調べましょう。ECは塩類濃度の目安となります。適切な範囲は作物や測定方法によって異なるため、診断機関に確認してください。

前作の病害や根の状態を振り返る

同じ作物の栽培を続けると、特定の病害やセンチュウなどが問題になる場合があります。前作で生育のばらつきや根の傷みがなかったかを確認しましょう。

収穫残渣や根の処理は、病害の有無に応じて判断します。病気が疑われる残渣を、そのまま土にすき込むことは避けましょう。必要に応じて地域の普及指導機関へ相談してください。

土の硬さと排水性を見直す

通路や作業で踏み固めた場所は、土が締まっている場合があります。灌水後に水が残る場所や、根が伸びにくかった場所を確認しましょう。

すべてのハウスで深く耕す必要があるわけではありません。土の硬さ、耕盤の有無、栽培方法に合わせて作業を選ぶことが大切です。

冬の休作期間に進めたい土づくり

まずは土壌診断でEC・pHと養分を確認

資材を入れる前に、土壌診断で現在の状態を把握しましょう。肥料成分が十分に残っていれば、次作の施肥量を見直す判断材料になります。

ハウス内でも、場所によって土の状態は異なります。採土する場所や深さは、診断を依頼する機関の案内に従ってください。

除塩の灌水は排水条件を確かめてから

塩類集積が確認された場合、灌水による除塩を検討することがあります。ただし、余分な塩類を根域の外へ移動させるには、排水条件の確認が欠かせません。

排水が悪い土に大量の水を入れると、過湿や滞水を招くおそれがあります。湛水や大量灌水を一律に行わず、必要な水量と排水方法を専門機関に確認しましょう。

被覆を外して雨を入れる方法も、施設の構造や耐候性、周辺環境によって適否が異なります。施設管理者や施工業者への確認なしに被覆を外すことは避けてください。

耕うんは土の水分と次作に合わせる

耕うんが必要な場合は、土が過度に湿っているときを避けましょう。深さや方法は、根の張り方や硬い層の位置を見て判断します。

露地の寒起こしと異なり、ハウス内では十分な低温にさらされないことがあります。冬に耕すだけで病害虫を除去できるとは考えず、問題に応じた対策を組み合わせましょう。

堆肥や石灰資材は不足に応じて選ぶ

完熟堆肥も、種類によって養分や塩類を含みます。塩類集積が心配なハウスでは、量と成分を確認してから使用しましょう。

苦土石灰などの石灰資材は、土壌のpHや苦土の状態をもとに判断します。毎年決まった量を入れるのではなく、土壌診断と次作の作物に合わせて調整してください。

農業用竹酢液「孟宗竹の煙」を取り入れる際の注意点

農業用竹酢液「孟宗竹の煙」は、水で希釈して使用する液体資材です。ハウスの管理に取り入れる際は、製品表示や販売元の案内に従って使用してください。

竹酢液を入れれば塩類集積が解消するわけではありません。土壌診断や排水対策の代わりにせず、初めて使う場合は小区画で状態を確かめましょう。

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バイオ炭は土壌のpHと使用目的を確認

バイオ炭(農業用竹炭)は、炭化した竹を利用する資材です。取り入れる際は、土壌のpHや作物に適した土の条件を確認しましょう。

保水性や通気性への影響は、土質や使用量によって異なります。すでにpHが高い土や、酸性の土を好む作物では、特に慎重な判断が必要です。

バイオ炭も、除塩や土壌消毒の代わりになるものではありません。一度に大量に入れず、商品案内に沿って使用してください。

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乳酸発酵竹チップは被覆と混和を分けて考える

乳酸発酵竹チップは、地表を覆う資材や有機物資材として活用を検討できます。土の表面に敷く場合も、湿り具合を確認しながら管理しましょう。

土に混ぜる場合は、分解に伴う一時的な窒素不足に注意が必要です。乳酸発酵済みでも、大量の混和を避け、商品案内に沿って使用してください。

分解の進み方は地温や水分などで異なります。冬に入れたチップが春までにすべて分解するとは限りません。定植前に土の状態を確認しましょう。

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春の作付けに向けて、必要な管理を選びましょう

冬のハウス内の土づくりは、資材を増やすことより、現在の土の状態を知ることが出発点です。EC・pH、残存養分、排水性を確認し、次作に必要な管理を選びましょう。

竹酢液・バイオ炭・乳酸発酵竹チップを、必ず同時に使う必要はありません。目的に合う資材を選び、使用量や作業日を記録しておくと、次の栽培を振り返る際に役立ちます。

露地の畑も含めた資材選びは、冬の畑で始める春への準備|竹酢液・バイオ炭・乳酸発酵竹チップで土づくりもご覧ください。

※本記事は土耕栽培のハウスを対象とした一般的な案内です。作業時期や方法は地域、施設、作物、土壌条件によって異なります。各資材は病害虫防除や収量・品質の向上を保証するものではありません。有機JAS認証圃場での使用は、事前に認証機関へご確認ください。